開発現場のプロジェクトマネージャーはしんどい
といった意見をよく耳にしますが、理由が気になっている方も少なくないかと思います。
本記事では、プロジェクトマネージャーのどこがしんどいのかという点をはじめ、プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴などを解説します。
プロジェクトマネージャーを視野に入れているようでしたら、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネージャーのどこがしんどい？
まず、プロジェクトマネージャーのどういった点がしんどいのか、簡単に解説します。
プロジェクトの責任が重い
プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクトを無事に完遂させることです。
計画段階から実装、テストやリリース後の運用までのあらゆる工程を管理し、必要に応じて認識合わせの機会を作ったり、見直しや交渉などをおこなったりします。
イレギュラーの多い現場でプロジェクトを無事に進めるのは難しく、プロジェクトを完遂に導くプロジェクトマネージャーは責任が重大です。
自分の仕事さえできていればOKではないという点が、プロジェクトマネージャーをしんどいと感じさせる大きな要因になっています。
コミュニケーションが難しい
プロジェクトマネージャーは職務上、各方面と交渉をする必要があります。
スケジュールや費用、人材管理についてなど、さまざまな人に話を通さなくてはならず、常に板挟み状態です。
言いたいことが言えない立場ということもあり、ストレスを感じる人も多くいます。
計画通りにいかない
プロジェクトは多くの人が関わっており、それぞれの人を自分の思い通りに動かすことはほぼ不可能です。
仕事が遅れる人もいれば、トラブルが起きてしまうこともしばしばあります。
そのような環境下で極力スケジュールを乱さないように調整するのは、とても多くのエネルギーが必要な仕事です。
スキルとして評価されにくい
プロジェクトマネージャーはコミュニケーションなどが主な仕事になるため、プロジェクトマネージャーのスキルが評価しにくい特徴があります。
プロジェクトの成果物が自分の成果とはなりますが、長期のプロジェクトの場合は評価されるまで時間がかかってしまうのも現実です。
頑張りが見えづらく結果でしか判断しにくいことから、努力に見合わない評価を受けてしまうリスクがあります。こういった点がしんどいと感じて、モチベーションが落ちてしまう要因となります。
相談できる相手がほとんどいない
プロジェクトマネージャーはプロジェクトに一人しかいない場合が多く、そういった現場では同じ観点で相談できる相手がほとんどいません。
プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴
プロジェクトマネージャーの「しんどい」点を紹介したところで、どういった人ならプロジェクトマネージャーに向いているかを解説します。
一つの例として、自分が向いているかを考えるうえでの参考にしてください。
コミュニケーション力がある
プロジェクトマネージャーに一番大切とも言えるのが、コミュニケーション力です。
プロジェクトマネージャーはあらゆる場面で調整や交渉が必要になるため、プロジェクトにおいて最もコミュニケーションを取る量が多い立場になります。
上手に調整できることも大切ですし、ひとつひとつのコミュニケーションに疲れやストレスを感じにくい人はプロジェクトマネージャーに向いていると言えます。
計画性がある
プロジェクトが順調に進むかは、プロジェクトマネージャーの腕の見せどころです。
きちんとした計画が立てられることはもちろん、想定外のできごとに素早く対処できたりなど、計画と実態が伴うように調整できるかどうかがプロジェクトマネージャーの大事なスキルです。
柔軟に対応できる必要もありますが、普段から計画性がある人はプロジェクトマネージャーに向いていると言えます。
ストレス耐性が強い
多くの人が関わるプロジェクトを束ねるプロジェクトマネージャーは、思い通りにならないことが多く、ストレスが溜まりやすいと言えます。
また、さまざまな人と話す必要があるため、それだけ神経を使う職種と言えます。
ストレス耐性があり、ストレス発散が上手であることはどの仕事でも役立つことですが、プロジェクトマネージャーは特に大切なポイントとなります。
物事を客観的に判断できる
さまざまな事情から板挟みに合うことの多いプロジェクトマネージャーは、時にプロジェクトメンバーの意見とぶつかることも必要です。
その際に主観的な意見ばかり言っていては不満を持たれてしまい、場の雰囲気もどんどん悪くなってしまいます。
客観的に物事を判断し、論理的に説明して納得してもらうことは、プロジェクトマネージャーの重要なスキルとなります。
プロジェクトマネージャーのやりがいとは
しんどいと言われるプロジェクトマネージャーですが、やりがいを感じられるポイントもあります。
ここで挙げるポイントとしんどいポイントを比較して、やりがいが勝りそうであれば、プロジェクトマネージャーを目指してみてはいかがでしょうか。
プロジェクトにおける強い権限が与えられる
プロジェクトマネージャーはプロジェクトを束ねる立場であるため、影響力や強い権限が与えられます。
責任はともないますが、自分の意見や仕事がプロジェクトに大きく影響を与えられる点に、やりがいを感じる人も少なくありません。
「自分がプロジェクトを成功させるんだ」という強い気持ちのある方にとって、プロジェクトマネージャーは魅力的な職種でしょう。
年収が高く、需要もある
プロジェクトマネージャーは幅広い知識や能力が求められる、難しい仕事です。
そのぶん年収は高めの傾向にあり、あらゆる業界で需要も高いと言えます。
ITアーキテクトなどの高度SE・ITエンジニアでさえ給与水準778.2万円であることから、プロジェクトマネージャーの給与水準は高水準と言えるでしょう。
「苦労に見合った給与が得られるなら、しんどい仕事にもやりがいを感じられる」という方でしたら、プロジェクトマネージャーを目指す価値は十分にあると言えます。
幅広い人脈を築ける
プロジェクトマネージャーは多くの人と関わる職種であるため、幅広い人脈が作れます。
ビジネスパーソンにとって、人脈の広さはそれだけで価値となります。
交渉力が身に付く
プロジェクトマネージャーは多方面とコミュニケーションを取るため、交渉力が身につきます。
交渉力は一生使えるスキルですし、交渉力が身についただけ、プロジェクトの進行もスムーズになります。
思い通りにならないプロジェクトがスムーズに進むようになると、やりがいも感じられるようになるでしょう。
自分がマネジメントしたプロジェクト・システムが世に出る
やはり一番やりがいを感じられる瞬間は、自分がまとめあげたプロジェクトが世に出た時でしょう。
「このシステムは自分がマネジメントして生まれたものだ」と実感できると、苦労したぶん感慨もひとしおです。
プロジェクトマネージャーとしてのキャリアにも繋がりますので、最もやりがいを感じられるポイントと言えるでしょう。
プロジェクトマネージャーに必要なスキル
最後に、プロジェクトマネージャーに必要なスキルをいくつか紹介します。
マネジメント力
当然ではありますが、プロジェクトマネージャーに何より必要なのはまずマネジメント力です。
- 組織作り
- 目標決め
- 進捗等の管理
- 成果の評価
などを総合的に行うことがマネジメントです。
マネジメントについては書籍など学べる方法は沢山あります。 マネージャーにならなくても役立つ知識なので、興味があれば積極的に学びましょう。
計画力
プロジェクトにイレギュラーやトラブルはつきものですが、計画力は必要不可欠です。
計画力がないと、進捗の遅れに気づいたり、調整することができなくなったります。
コミュニケーション力
これまで何度も解説したとおり、プロジェクトマネージャーはコミュニケーションが主な仕事と言っても過言ではありません。
コミュニケーションと言っても雑談が得意である必要はなく、報告・連絡・相談を徹底的にできることがマネジメントでは必要です。
なかなか意識ひとつで改善できるものではありませんが、日頃から意識して磨きたいポイントです。
業界知識
コミュニケーションにも関わることかもしれませんが、プロジェクトに関連した業界知識も大切です。
開発における業界知識だけでなく、プロジェクトで作るサービスの業界知識や、ステークホルダーの所属する業界など、幅広い業界知識が求められます。
最低限「この人は業界知識がないから話にならない」と言われない程度に、知識を身につけるようにしましょう。
まとめ
プロジェクトマネージャーの仕事は「しんどい」という意見が出るくらいには難しく、思い通りにいかないことの多い仕事です。
しかし、その高度な業務に見合った年収が得られるなど、需要の高い仕事でもあります。
しんどさをやりがいと捉えられる方も少なくありません。もしプロジェクトマネージャーに興味があれば、目指してみてはいかがでしょうか。
